3級ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP3級)受験記

2021年9月実施の3級ファイナンシャル・プランニング技能検定に合格し、三級ファイナンシャル・プランニング技能士を名乗れることになりました。

どういう検定なのか

日本FP協会と金財が実施している検定で、社会保険・年金、生命保険、資産運用、税制、不動産、相続などについて扱います。

合格することで名乗れる「ファイナンシャル・プランニング技能士」は名称独占資格であり資格を持っていない人が名乗ることができないものです。

受験のモチベーション

そろそろ30代が近づいてきたので、自分の収入だとどれくらいの世帯でどれくらいの生活レベルを目指すことできるのか知りたくなってきました。マネーフォワードを使っていると右のほうに もっとおトクなお金のコラム としてオウンドメディアの記事が紹介されているかと思いますが、FPによる家計診断の中には「うらやましいなー」と思うほどの収入を得ていても「その生活を続けているようだと老後の生活が成り立ちません」という残酷な評価が下されているものもあります。こういう記事ばかり読んでいると必要以上に将来への漠然とした不安が募るばかりなので自分の経済状況を正しく認識するための知識を付けたかったというのが受験の理由です。

また副業の収入や寄付によって確定申告を毎年行っていたことや、投資信託の購入によって受験範囲の三分の一程度は概ね知っている内容になっていたため、これまで断片的に身に着けた知識を体系的に復習する機会としても使えそうだということも考えていました。

勉強方法

Amazon で一番売れているらしい以下の本を買って勉強しました。

ただし、この本をほかの人にもお勧めするかどうかは微妙なところもあります。この本は検定に合格することに特化したシケプリのようなものであり、系統立てて学ぶことを目的とした教科書とは少し趣が違うように感じました。特に税制の章では説明が不十分だと感じる箇所がかなりあり、不明点が見つかるごとに freee のヘルプサイトを見るなどして調べていました。

www.freee.co.jp

問題集も書店でたくさん売っていますが、3級では買わなくても十分対応できると思います。私は前日に FP3級ドットコム をポチポチやっていました。

受験におけるエピソード

試験では電卓の利用が許可されているのですが レギュレーションが決まっており、いわゆる普通の電卓しか持ち込むことができません。私は工学部出身なので関数電卓を今でも持っているのですがレギュレーションに違反していたため、わざわざ機能的に劣る電卓を買いなおしました。実際のところ、少なくとも3級では計算が必要な問題の数は少なく、計算の内容もほとんどは暗算で対応できる程度のものであるため、十分に勉強していれば電卓が無くても合格できると思います。

東京都においては受験者がかなり多いらしく、受験当日の朝の地下鉄は隣に座っている人は iPad でFP3級ドットコムで過去問を解いているし、向かいに座っている人は表紙に大きく「FP」と書かれた本を開いているしで、全人類がFPを受けているような錯覚に陥りました。

感想

今のところ本業とは全く関連のない資格のため、仕事で活かせることは残念ながら当面はなさそうです。仕事に活かすつもりでファイナンスの勉強をするなら簿記を受けたほうが役に立つ可能性が高いのではないでしょうか。私もこのままだと電卓を買ったお金が無駄になりそうなので勉強をしようと思っています。

雑談でお金の話になったときに話のネタに使いやすいという意味では日常生活で役に立つとはいえるかもしれません。たとえば「国税庁のホームページ を見てたら年収が700万円になるあたりで税率が20%から23%に上がるって書いてあったんだけど本当なの?」といった心配をしている人を見かけても「とりあえず落ち着いて社会保険料控除と給与所得控除と基礎控除を除こうか」という説明はすぐにできるようになるでしょう。

自分の経済状況を正しく認識するのに必要な知識があることを客観的に確認したいという意味ではよい勉強になったといえるでしょう。正しく経済状況を認識した結果として将来への不安が募ることのほうが多いかもしれませんが…