Web上で公開されている合格体験記にお世話になったので,私も記録を残しておきたいと思います。
小論文
取り組みたい研究についてA4用紙2枚にまとめて,出願時に提出します。
小論文と面接の配点が極めて高いということなので真剣に書きました。いつも締め切りに追われないと仕事ができない私がかなり早い段階で書き終えたのですからお察しください。
添削は (今いる大学の) 博士課程の先輩に引き受けていただけたのですが,指摘が的確すぎて「ここまでできないとD進しちゃいけないのか…」と思うほどでした。ご自身の就職活動で忙しい時期に添削をしていただいた先輩に圧倒的感謝!
どういう評価になったのかはさておき,個人的には満足できる完成度のものが書けたと思います。
2015/07/19追記
小論文の構成ですが,科研費の応募様式を参考にするとスムーズに書くことができました.私は挑戦的萌芽の様式を参考にしたのですが,それによると以下の3つを書けと書いてあります。
- 研究の学術的背景
- 研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか
- 当該分野における本研究の学術的な特色及び予想される結果と意義
数学
解析と代数の基本的な問題がそれぞれ2問ずつ出題され,それぞれ1問ずつホワイトボードを併用しながら解答する「口頭試問」です。
「普段数学使っているし,そこまで勉強しなくても大丈夫じゃね?」と思いつつ復習していたらa3+b3の因数分解が咄嗟に出てこなくて唖然としたので,心を入れ替えて勉強しました。
勉強に使ったのは以下の本とサイトです。特に「キーポイント線形代数」は固有値,固有ベクトルの説明が本当に素晴らしく,入学してから機械学習の研究をしたいという人ならば持っていて損はありません。中古で買えば安いです。
線形代数
- 作者: 薩摩順吉,四ツ谷晶二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1992/10/22
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 30回
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解析
- 作者: 馬場敬之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/06/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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微分方程式
- 作者: 岩崎千里,楳田登美男
- 出版社/メーカー: サイエンス社
- 発売日: 2014/06
- メディア: 単行本
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英語
情報科学研究科は提出したTOEIC/TOEFLのスコアが得点になります。昔は口頭試問かTOEIC/TOEFLのスコア提出で選択できたようですが,2016年度入試はTOEIC/TOEFLだけです。
高校生の時に受験したTOEIC IPテストのスコアが500点前後で,足を引っ張ることはあってもアピールにはならないなぁという点数だと感じていました。ICPCというプログラミング・コンテストの合宿で「TOEICは受験回数が大事なのでETSにお布施するつもりでいきましょう」と言われたので,受験を本気で考え始めた11月ごろからIPテスト,公開テストの両方を立て続けに複数回受験しました。特化した勉強をしていたわけではないのですが,700点弱まで上がりました。
5月のオープンキャンパスで聞いた話によると合格者平均は630点だそうです。ただし,900点以上あるような人も稀に受験しているので,中央値は630点より低いのではないかと考えています。
面接
一般的な対策だとは思いますが,聞かれそうなことをリストアップして,その回答を考えました。
受験当日
- 数学が難化しているらしいという情報を,同じ研究室志望の高専生に聞いてガクブルする
- アンケートを記入する (専願か併願か,オープンキャンパス等は参加したか,NAISTを知ったきっかけ,入寮を希望するか)
- まずは数学の口頭試問から
- 問題閲覧室 (10分間下見ができる) に行く
- 表面の代数を見る。1番目の問題が対角化してAnを求めるだけの超典型問題だったので,さっさと裏面へ
- 裏面の解析を見る。2番目の問題がcos4 xの不定積分を求めるだけの高校生でも解ける問題だった。解けることを確認して一安心
- なんでこんなに簡単なんだ…?
- 面接室に行く
- 時間が12分しか無いので,解析 → 代数 の順に解く (代数のほうが計算ミスの危険性が高く,解析を解く時間が無くなる可能性が高いので)
- 研究に関する面接
- 「アンケートの内容これで合ってる?」
- 「研究について3分で説明してくれる?」
- 「新規性弱くない?」 → 「そうかもしれません…」
- 「実装しないといけないけど,プログラミング大丈夫?」→ 「プロコン出てました。ソフトウェア開発のバイトやってます」 (めちゃくちゃウケが良かった)
- 研究についてしか聞かれなかった (志望動機とか逆質問一切なし)
質問なのん。この修論の新規性の在処と学術的意義について教えて欲しいのん pic.twitter.com/s0BCWoq7JG
— ぎりぎり (@girigiri38) 2013年12月9日
NAISTへのアクセスについて
大学が公開しているアクセスマップは以下のページにあります。
大学の最寄り駅は近鉄けいはんな線の学研北生駒駅です。ここからバス or 徒歩で大学まで移動することになるのですが,奈良交通バスの公式サイトの時刻表は使い勝手が良くないです。以下のようなバス時刻表アプリもあるので活用してみてください。
また学研北生駒駅とNAISTの間のバスの運賃は190円で,小銭で支払うのが面倒です。ICOCA等のICカードを持っていない人は,この機会に用意しても良いかもしれません。奈良交通で使えるICカードについては以下のページで説明があります。
その他
Q. スプリングセミナー/サマーセミナーは参加した?
A. スプリングセミナーに参加しました
サマーセミナーも本当はB3のときに参加しようと思っていたのですが,当時の私は「やりたい研究が分からない…修士進学のつもりだったけど研究に向いてないのかな…」という感じで結局参加しませんでした。
スプリングセミナーに参加して分かったことなのですが,そこまで思い詰める必要は無く,興味さえあれば気軽に参加して良かったようなので,希望している人はどんどん応募しましょう。むしろ,やりたい研究を見つけるため,という気持ちでも参加してOKだと思います。
Q. オープンキャンパスは行った?
A. B3とB4でそれぞれ1回ずつ行きました
B3のときに参加したオープンキャンパスでは,学部の先輩でNAISTの卒業生の方に「ぜひ遊びに来てください♪」と言われたので,そういうつもりで気軽に参加したのですが,研究室見学に行くと「飛び入学希望ですか!?」「志望度はどれくらいですか!?」と踏み込んだ質問をされて面食らいました。
B4のときに参加したオープンキャンパスでは,スプリングセミナーで受講した研究室を受験することを決めていたので,その研究室に居座ってたくさん話を聞いていました。