凪のあすから 聖地巡礼・舞台探訪(三重県熊野市)

2024年1月追記

10周年を記念して再訪しました。

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せっかく日帰りで行ける距離に住んでいるので行ってみました。

舞台設定について

凪のあすから」には陸の世界と海の世界が登場するのですが,陸の世界のモデルは三重県熊野市を中心とした南部の地域です。

アニメの放送が行われてからしばらくは,どちらの地域についても公式には舞台と公言されていなかったのですが,地元の自治体(熊野市)は認知しているという奇妙な状況でした(広報くまの No.129(2016年7月5日発行))。ところが,1年前にこの地域をモデルとしていることが公式に発表されたという経緯があります。

一方で,海の世界のモデルはギリシャサントリーニ島のイアという地域だと考えられています。

こちらは行くのがかなり難しいですが,行ってみたという猛者もいるようです。

blog.goo.ne.jp

blog.livedoor.jp

スケジュール

モデルになったと考えられている地域は アニメ聖地ロケ地追っかけ舞台探訪まとめWiki にまとめられています。携帯電話の電波が入りにくい地域があることが考えられたので,舞台探訪まとめWikiで配布されているフィールドマップを紙に印刷して持っていきました。

アニメ内の構図と概ね一致する箇所は,熊野市駅と大泊駅の中間にある鬼ヶ城波田須駅,新鹿駅,二木島駅,紀伊長島駅の周辺にあります。鉄道と徒歩のみで移動する予定だったのですが,広範囲に点在しており,鉄道の運行本数が多くはなく2時間に1本程度のため,日帰りするために鬼ヶ城波田須町,新鹿町のみ訪問することにしました。最終的に,特急ワイドビュー南紀熊野市駅まで移動 → 昼食 → 鬼ヶ城 → 大泊駅から波田須駅まで紀勢本線で移動 → 徒歩で新鹿駅まで移動 → 紀勢本線紀伊長浜駅まで移動して夕食,という旅程になりました。

この地域のおいしいものを調べるには 熊野市観光協会紀北町観光協会 のWebサイトが便利でした。

松阪駅熊野市駅

近鉄松阪駅まで移動してから,JR東海の特急ワイドビュー南紀に乗り換えて熊野市駅まで移動しました。

松阪駅JR東海近鉄のホームが同じ改札内にあるというおもしろい構造でした。特急料金を払えば松阪駅から熊野市駅までは2時間程度で到着します。指定席を買うときは駅員さんに「海側の窓側」と伝えてみるといいかもしれません。

途中で通った紀伊長島駅周辺の造船所を車内から取った写真です。紀伊長島駅から遠いので訪問はスキップしました。

あとは ↓ の踏切も通ったのですが,撮り逃しました…

尾鷲市を通っているときに撮影した写真です。何ていう場所なのか分からないので誰か教えてください…

新鹿町です。あとで訪問します。

熊野市駅

https://photos.app.goo.gl/YqAIvcTxeaFQsFL52 ← 駅前を360°パノラマ撮影してみました。

このあたりでは比較的人口の多い地域です。特急が停まるということもあって,さすがに有人駅でした。三重県統計書によれば,2015年の一日平均乗車人数は466人とのことです(熊野市駅 - Wikipedia)。「熊野駅」ではなくて「熊野駅」なので切符を買うときには慌てないようにしましょう。

11時13分に到着したので,ここで昼食をとりました。駅前にある「喜楽」というお店です(↑のパノラマ写真から見えます)。さんま寿司が490円でとてもリーズナブル。

鬼ヶ城

世界遺産の海蝕洞です。実際に行ってみるとかなり迫力があって圧倒されます。

パノラマをたくさん撮りました。

  1. https://photos.app.goo.gl/etUGG2DfQzJBxWqi2
  2. https://photos.app.goo.gl/RkGkHSOyvF4WQ4i33
  3. https://photos.app.goo.gl/2AGCq3lcgBlCxzMf1
  4. https://photos.app.goo.gl/8MjOmPoBfOwLnMsF2
  5. https://photos.app.goo.gl/EgJ1Z9ZJyJGOcDVF3
  6. https://photos.app.goo.gl/xEIj9eMaaqnqRocw2
  7. https://photos.app.goo.gl/Ra9Vdoa5L8fNue052

追記

「要階段」のスポットについて情報いただきました。ありがとうございます!!

大泊駅

波田須駅まで一駅なので徒歩で移動できるかと思いきや,かなり距離があったので利用しました。三重県統計書によれば,2015年の一日平均乗車人数は7人です(大泊駅 - Wikipedia)。当然ながら無人駅です。ホームが長く見えますが,停車する列車は2両だけです。

列車はかなり新しい車両のようでした。JR東海の新幹線マネーはすごい…

波田須駅

三重県統計書によれば,2015年の一日平均乗車人数は6人です(波田須駅 - Wikipedia)。聖地が特定された2014年だけ利用者数が跳ね上がっているのが面白いですね。無人駅の乗車人数をどうやって計測しているのかはよく分かりませんが…

駅舎は2016年に新しくなったそうです。以前は巡礼ノートが置いてあったそうですが,今回は見つかりませんでした(天女座に移動したらしい)。

この集落の2017年の人口は166人です(波田須町 - Wikipedia)。

天女座

聖地巡礼に来たファンの溜まり場となっているカフェです。不定期でファンイベントも開催されているようです。Googleで検索したところによると,以前は別の看板だったようなのですが,新しく作り変えてアニメにそっくりな看板にリニューアルしてくれたようです。

http://tennyoza.com/index.html

↓ ぜひ天気の良い日の夕方に入ってみたいお店です。

ameblo.jp

営業していない前提でスケジュールを組んでいたのですが,行ったときには営業していました。ただ,お店に入ってしまうと電車の時間に間に合わなくなってしまう可能性があり,泣く泣くスキップしました… お店の方がTwitterをされているようなので,事前に連絡してみればよかったですね。

新鹿町

人口777人,小学校は29人,中学校は11人という町です(新鹿町 - Wikipedia)。

https://photos.app.goo.gl/jtmcTT7dpSqNpbMr1 ← 海岸のパノラマ写真

ここの海水浴場は「日本一きれいな海水浴場」と主張していて,実際かなり綺麗だったので嘘ではないと思います(新鹿海水浴場 - Wikipedia)。

サヤマートのモデルになったと考えられているお店です。店の外観はよくありがちなものなのに,どうしてそう考えられているかというと,ここ以外に商店が無いからです…

橋脚は海水浴シーズンに中州に移動するための橋を掛けるのに使われているそうです(Twitterで検索すると橋がかかっている画像が見つかります)。

三重県統計書によれば,新鹿駅の2015年の一日平均乗車人数は56人です。基本的には無人駅ですが,花火大会のときだけ駅員が派遣されてくるとのことです(新鹿駅 - Wikipedia)。

紀北町

三重県統計書によれば,2014年の一日平均乗車人数は241人とのことです(紀伊長島駅 - Wikipedia)。自動改札も自動券売機もありませんが,特急は停まるし駅員さんも常駐されています。

この町はマンボウが名物らしく「道の駅 紀伊長島マンボウ」というお店に移動してマンボウフライ定食をいただきました。土日限定営業の屋台でマンボウの串焼きも売られているとのことだったのですが,なぜか行ったときには営業していませんでした。食べた感想ですが,揚げた状態だと普通の白身魚という感じでした。鮮度が落ちやすいとのことなので,定常的に食べられるのは全国でも限られた地域だけです。

自宅まで

松阪駅まで紀勢本線で戻ってから,近鉄特急で帰りました。

まとめ

論文執筆で忙しいとか寒いとか理由を付けて先送りにしていたのですが,ついに目的が達成できたので心残りがなくなってほっとしています。強いて言えば,午後から曇り始めてしまってインスタ映えする写真が取れなかったことが残念でした(これでもかなり天気予報を気にして日程を決めたのですが…)。ファンイベントも予定が合えば行きたいですね。

2017年の活動

1月

  • 研究の進捗を外部発表するために原稿を書きました
  • 就活のために逆求人イベント系イベントに参加していました
  • NJPC 2017 を開催しました
  • 研究では多腕バンディット問題をやっていた気がします

NJPC2017 - NJPC2017 | AtCoder

2月

  • 就活のために新幹線で東京と奈良を毎週往復していました
  • 会社見学に行く途中に山手線の上でスマホのディスプレイが映らなくなって、電話もできずメールもできず社会的な信用を失いかけました(一度行ったことのある会社だったので,何も見ずに行くことができて何とかなった)

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3月

  • 研究発表のために沖縄に行ってきました
  • 某社から内定をもらったので就活ファーストシーズンが終了しました
  • 滋賀と京都に競プロ合宿に行きました

4月

  • StanでMCMCして遊んでました

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5月

  • 簡潔データ構造の輪講を開始しました
  • 研究で単調な集合関数や劣モジュラ関数などの最適化について調べていましたが,使うことはありませんでした

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6月

  • 就活セカンドシーズンが開幕しましたが,落ちました
  • 現実逃避のためにFF14を再開しました
  • JAGスタッフとしてICPC模擬国内予選の準備とかをしていました

7月

  • 競技プログラミングのデータをStanでMCMCする話をLTしてきました
  • ICPC模擬国内予選をやりました
  • FF14の拡張パックが発売したので,メインストーリーをクリアするところまでは進めました(クリアしたところでサブスクリプションが切れたので休止)
  • 研究でもMCMCが使えることが判明したので進捗を生み出していました

kujira16.hateblo.jp

8月

  • 研究の進捗を外部発表するための原稿を書きました(2回目)
  • NAISTチームでICFPCに参加していました
  • JAG夏合宿のための準備とかをしていました

9月

  • 研究発表が3件くらいありました
  • JAG夏合宿にスタッフとして参加していました

2017/Practice/夏合宿/案内 - ACM-ICPC Japanese Alumni Group

10月

  • 研究ではEMアルゴリズムをやりました
  • 外部発表が一息ついたと思ったら1件追加されました
  • ISUCONに学生チームで参加して予選に通りました

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11月

  • MCMCが遅すぎたので変分ベイズを導出してました。NumPyの汚いハックを使うと3500倍くらい高速化できました。
  • ICPC模擬地区予選を開催しました
  • ISUCON本選に参加しました

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12月

  • 修論を書き始めました

"Compact Data Structures: A Practical Approach" の輪講が終わりました

5月から以下の本の輪講助教の先生と @yurahuna と私でやっていました。修論の追い込み次期ということで9章のグラフの章が終わったところで一旦終了としました(本当は11章のTextまでやりたかったのですが仕方ないね)。

Compact Data Structures: A Practical Approach

Compact Data Structures: A Practical Approach

9章までの簡単なまとめ

2章では基本事項として最悪エントロピーやシャノンエントロピーの計算,ハフマン符号による符号化,イェンゼンの不等式の計算練習をやりました。簡潔データ構造は「情報量の下限に近い容量で有益な操作を提供する」というデータ構造なので,この本ではどんなデータ構造についても最初にエントロピーを計算するところから始めています。ハフマン符号は最適な平均ビット長で表現することができる符号化方式であり,後の章では順列の圧縮やウェーブレット行列の圧縮にも使いました。イェンゼンの不等式は f(x) が凸関数のとき(本書ではもっぱら log(x) に対して使う)に Σ f(x) を f(Σx) で抑えるのに使える便利な式で,後の章のいろいろなところで活躍しました。

3章では固定長配列や可変長配列を保存する方法について学びました。可変長配列では配列の途中の要素を取り出すためにポインタが必要になってしまうのですが,ポインタは情報量的には余分な領域なのでSampled PointerやDense Pointerといったテクニックを導入しました。また,この章の最後のApplicationの節では定数時間初期化配列についても学びました。

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4章ではビット列に対して rank (ビット列の先頭からあるインデックスまでの1の数)と select (k 番目の1を返す)を実現するデータ構造であるBitVectorについて学びました。以後の章ではBitVectorを使い倒していくことになります。またビット列に含まれる1の数がビット列全体に比べて非常に少ない場合に有効なBitVectorであるVery Sparse BitVectorについてもやりました。

5章では順列のinverseやpowerを高速に処理するデータ構造について学びました。なぜ順列が5章に配置されているのかというと,6章で必要になるからです。この本は章の間の依存関係についてよく考えられていると思います。

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6章では数列に対して rank と select を実現するデータ構造について学びました。順列を使う方法から始まり,ウェーブレット木・ウェーブレット行列とその圧縮表現について学んだあと,アルファベットサイズ σ が大きい場合にクエリ O(log log σ) の時間計算量で処理するテクニックであるalphabet partitioningについて学びました。

7章ではバランスの取れた括弧列 (BP) を管理するデータ構造であるrmM-treeについて学びました。括弧列の処理は,この本を読むまで全く理解できず,私が一番知りたいと思っていたところだったので非常に楽しかったです。データを log n 個ずつに分割してクエリを O(log log n) 時間で処理する方法についても学んだのですが,ここは非常に難しかったですね…

8章では簡潔データ構造の研究の中で最も大きな成果の1つである木(順序木)の表現について学びました。LOUDSは行える操作が限られていますがBitVectorのrank, selectだけで実現できるので高速,BPは多様な操作が行なえますがBPを使う必要がある,DFUDSはLOUDSとBPの中間という感じでした。

9章ではグラフの簡潔表現について学びました。特に平面グラフの圧縮は非常にコンパクトに圧縮できるということが分かり,いろいろな分野に応用できそうだと思いました。

感想

9章まで終えた感想ですが,章ごとの依存関係がきっちり整理されており,後ろの章で紹介される考え方が前の章に出てくるということがなく,前から読んでいくのであれば非常に読みやすい教科書だと思いました。一方で,前の章を読まないと後ろの章が全く理解できないということにもなりがちなので,輪講の課題図書としては人数が増えてくると使いにくい部分もあるかもしれません。たとえば,8章のTreeを理解するには7章のBPを理解する必要があり,BPの理解にはさらに4章のビット列の理解が必要,といった感じです。

とはいえ,一部の高度な部分を除いては全体的に平易にかかれているのでおすすめできます。Navarro先生ありがとうございました!!